企業事例 −株式会社ティーテック−
お客様の声

株式会社ティーテック
代表取締役 鉄本博一 さま
Q . 健康経営を始めようと思ったきっかけは何でしたか?
鉄本社長:「健康経営」という言葉自体、当初はあまり聞き慣れず、「健康管理の取り組み=治療後の対応」という考えが中心でした。たとえば、腰を痛めた社員がいれば、整体などの費用を会社が負担するそんな“対症療法的”な対応が主だったと思います。
健康経営に取り組み始めたきっかけは、フジイコーポレーションの小村さんから声をかけてもらったことでした。私自身も、以前から社員の“故障”を少しでも減らしたいという思いを持っていました。長年現場を見てきた中で、年齢を重ねるにつれて、腰や膝などの身体的な不調を訴える社員が増えてきたと感じており、今後さらに増えていくのではないかという懸念がありました。
実は私も、40代半ばを過ぎたあたりからメジャーの数字が見えにくくなったり、反応が鈍くなったりといった変化を感じ始めていました。日常の中で“老化”を実感する場面が増え、そうした自身の体の変化や現場での社員の様子から、「これからは“治す”だけでなく、“予防”にも目を向けていかないといけない」と考えるようになったのです。
Q . 導入前の課題や迷いはありましたか?
鉄本社長:導入の初期段階では、時間的な制約や業務上の優先順位が大きな課題でした。やはり「仕事が最優先」という考え方が根強く、「健康のことに時間を割く余裕なんてない」と感じていた部分も正直ありました。社員にとっても、新しい取り組みをどう受け入れてもらえるかという不安があったと思います。
また、導入当初はコスト面での不安も大きかったです。中小企業として、限られた予算の中で新しい取り組みを始めるには、やはり慎重にならざるを得ませんでした。
しかし、国や自治体が用意している助成金制度の存在を知り、それを活用できることがわかったことで、導入へのハードルがぐっと下がりました。その後は前向きに取り組む決断ができ、実際に導入へと踏み切ることができました。
Q . 実際に導入してみて、どのような印象や感想を持たれましたか?
鉄本社長:導入後は、まず実際の作業現場を見学していただき、どのような作業が行われているのか、そしてどこに負担がかかっているのかをご覧いただきました。そのうえで実施されたフィジカルチェックでは、自身の体力の衰えを客観的に把握することができ、それが非常に印象的でした。加齢による変化は日々の中で何となく感じていても、それを数値や評価という形で“見える化”されることで、「これはいけない」と強く自覚するきっかけになり、逆にやる気に火がついたように思います。こうした気づきが、健康維持への意識変化を後押ししてくれました。
また、その後に行われた講義やワークショップでは、自分たちの作業姿勢や負担のかかっている動作を写真などで振り返る機会があり、「負担の少ない動作とはどういうものか」を具体的に理解する良いきっかけになりました。
そして何よりも、導入前に一番不安だったのは「社員に受け入れてもらえるかどうか」という点でした。しかし、フジイコーポレーションさんが“痛み”を一つのきっかけとして、社員と一緒に考えながら進めてくださり、一方的に内容を押し付けるのではなく、共に取り組んでくれたことがとてもありがたかったです。社員たちも心を開いてフレンドリーに話している様子が見られ、安心して取り組むことができました。

社内でのワークショップの様子
Q . 社員の皆さんの様子に変化は見られましたか?
鉄本社長:以前は、腰や膝、腕などに不調を訴えて整体に通う社員が多く見られました。しかし今回の取り組みを通じて、作業姿勢がより負担の少ない動作へと改善されたことに加え、全員で取り組むという方針のもと、私たちの身体の傾向に合った体操プログラムを継続して実施したことで、特に腰痛の症状が大幅に減少しました。実際に、整体への通院回数が明らかに減っており、取り組みの効果を実感しています。また、業務中の動作も以前に比べてスムーズになったと感じており、怪我などの報告も減少しています。身体への負担が軽減されたことが、社員の安心感や仕事への集中にもつながっているように思います。
Q . 今後、どのようなことを期待していますか?
鉄本社長:今後は、体操メニューの選択肢をさらに広げていきたいと考えています。社員一人ひとりが自身の体調やニーズに合わせて、最適な運動を自主的に選べるような環境を整えることで、より主体的に取り組めるようになると期待しています。また、それぞれの体操がどのような効果をもたらすのかを理解したうえで取り組めるよう、情報提供の方法にも工夫を加えていくつもりです。単に「毎日の習慣」として続けるだけでなく、「意味のある健康づくり」として職場に根付かせていくことを目指しています。